林芙美子の紀行集です。立松和平編。
森光子さんのでんぐり返しで有名な「放浪記」を書いた作家さん。 「放浪記」が一体どんなお話なのか全く知らないのですが、 これを25歳の時に書いたようです。 そしてのちベストセラー。 下駄で巴里を歩いたのはその後28歳の時です。 読み始めた時は、「放浪記」で一発あてたので豪遊に出たのかと思ったけれど、 そういうわけでもないらしい。 この人はとにかく旅が好きな人だそうです。 しかし、28歳でひとりでシベリア鉄道でロシアを横断して ヨーロッパへ行ってしまうなんて、とんでもない人です。それも下駄で。 言葉はどうしたのだろう??と真っ先に疑問に思ったけど、 フランス語は行く前に習ったみたい。 「ごキゲンいかがですか?」の「ごキゲン」と話している間に 「サバ・ビアン」とやられてしまう・・・ ここは想像するととても面白かった。 昔のパリの様子も面白いのだけど、 昭和一桁の時代なのでお金の単位が 「朝のカフェ、ブドウ入りのパン付きで50サンチーム(4銭)」とかなので、 全然想像が出来ない。 文章も昔なのですんなり読めないところもあるのだけど、 逆に昔ゆえに、品のあるおばあさんが使う言葉づかいみないな文章なので、 とても素敵です。 私もこういう言葉遣いの出来るおばあさんになりたい。 そして旅をたくさんしたいな。
by allie-hina
| 2012-03-01 21:43
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